今回はお子さまのむし歯予防についてのお話です。
みなさんはお子さまのお口の中の管理について正確にご存じでしょうか。
昔に比べて子ども全体のむし歯はかなり少なくなってきてはいますが、
お子さまが自分で虫歯予防することはできないので、専門家や保護者の方による予防が必要となります。
歯科医院でのフッ素塗布(1歳6か月以降)、学校などでのフッ化物洗口、ご家庭でのフッ化物入り歯磨剤を使用した歯磨きは 明らかに高い科学的根拠のあるむし歯の予防方法です。
ご家庭でできる対策は、砂糖をはじめとしたむし歯になりやすい食品を少なくすること、規則正しい歯みがきの習慣を作ることが重要です。
むし歯の発生にはむし歯原因菌の感染と定着が引き金となっており、
その年齢は生後19か月~30か月に高い頻度で定着が起きると言われています。 (それに対して歯周病原因菌の定着は、18歳前後であると言われています)
他の記事で解説していますが、むし歯は甘いものだけが原因でできるわけではありません。
例えば牛乳にも乳糖という糖質が含まれ、砂糖ほどではありませんがむし歯菌の栄養となります。
砂糖を多く含んだ間食も原因となりますが、歯みがきを規則正しく行うことでかなり予防できるでしょう。
砂糖の摂りすぎは将来的にもいい習慣とは言えません。
砂糖だけではなく糖質の摂りすぎが健康への悪影響となっていることはご存じの方も多いと思います。
1歳6か月~2歳あたりで奥歯まで乳歯が生えてきますがこの時点でむし歯ができやすいのは前歯です。
(3~4歳でしっかりかみ合わせができてくる頃には奥歯にむし歯ができやすくなります。)
2歳までは前歯のむし歯予防に注意を払いましょう。
甘い飲み物を寝る前に摂取して歯磨きをしないで寝ると前歯のむし歯のリスクはかなり高まります。
お子さまご本人も初期は歯みがきに慣れることが重要です。
歯磨きがうまくできているか、よりも規則正しいタイミングで歯みがきができることが大切なことです。
「仕上げ磨き」は生後6~12か月には毎日の習慣に取り入れると良いです。
最初は泣いてしまったり、動いてしまいうまくできないこともあるでしょう。
数を数えながら行ったり、歯磨きをしている他のお子さまを見せながら行うなどうまく誘導しましょう。
毎日決められた時間にルーティンとして継続していくと、徐々に泣かずにできるようになってくることも多いです。
泣いてしまって仕上げ磨きができなくても、食後に毎回行うようにする習慣づけが重要です。
乳歯が生え始めて間もないころから仕上げ磨きはガーゼを使用したりします。
どうしても嫌がって仕上げ磨きをさせてくれないお子さまに対しては、 最初から無理をさせるのではなくまずは寝る前は砂糖の摂取を控える、歯ブラシを口の中に入れる習慣から始めるなどできることから始めていくようにしましょう。
1~2歳のお子さんは転倒→歯ブラシによる喉付き事故が多いので、 注意して見ていてあげてください。
今回は以上です。
お子さま自身に歯みがきをさせたり仕上げ磨きを行うのはとても良い習慣です。
ぜひ無理なく継続していただければと思います。