こんにちは。河合歯科医院の河合です。
今回のテーマは「妊娠中の歯科受診に対する注意点」です。
妊娠期にはホルモンバランスの変化からいろいろ不安定になります。
口腔内にもその影響は少なからず出てきます。
今回は通院中の方からもよく質問を受けることの中で、妊娠期と歯科との関係を簡単にご説明します。
妊娠された方の中には歯科治療ができなくなると考えている方もいます。
しかし一般的な歯科治療で妊娠期に対しての禁忌事項はありません。
とは言っても時期によって考慮しなくてはいけない注意事項があり、何でもやっていいわけではありません。
産後は育児の点から通院困難となることが多く、妊娠中にでも頑張って治療を置けていただいたほうがいいケースはあります。
まずは治療を受けていただくにあたって考慮するべき事項を紹介します。
ポイントは3つです。
一つずつ見ていきましょう。
妊婦に対してのほとんどの薬剤は「有益性投与」(有益性がリスクを上回ると認められたときのみ)です。
痛み止めは妊娠後期の胎児毒性があるNSAIDs(ロキソニンなど)は控えアセトアミノフェンを。
抗菌薬はマクロライド系を控え、胎児にとって安全性の高いセフェム系かペニシリン系を使用しています。
これには産婦人科ガイドラインがあります。
リスクは3つ
奇形誘発性・中枢神経障害・小児がんです。
一般歯科のX線撮影に関して基準値を超えることはなく、防護エプロンを着用することからも全く問題ないと考えています。
※前述の服薬、X線については問題ないとしていますが、それでも心配な方は無理に行うことは致しません。
③診療時期
妊娠初期(~15週)
過度なストレスによる流産のリスクを防ぐ必要があります。
この時期に外科手術などは控えたほうがいいです。
妊娠後期(29週~)
仰向けで寝た体勢が長時間続くと低血圧症を起こす可能性があるため、治療に制限がかかります。
※仰臥位低血圧症候群→対処法:左向きに寝る。
妊娠中はいろいろと気がかりなことも多いかと思います。
治療に対してご不明な点があれば、何でも聞いてください。
今回はここまでです。それではまた。